長距離走者の試合前における心理的ストレス
永井 純 (筑波大学) /高井和夫 (筑波大学)
渋谷俊浩 (大阪成蹊学園(びわこ成蹊スポーツ大学)

 本研究の目的は,重要な試合前のストレッサーの内容と認知的評価,対処方略,ストレス反応に関して実力発揮度による差異を明らかにすることである.85名の大学男子長距離走者が調査対象になり,試合前にストレッサー尺度を含む一連の質問紙に回答した.実際の試合の実力発揮度により高群と低群に分類された.主な結果は以下の通りである.1)大学長距離走者のストレス評価(経験頻度×嫌悪度)について実力発揮度の低群は高群と比して,練習,周囲の期待,および試合の3因子において高く評定した.2)試合前に遭遇するストレッサーに対する対処方略利用について,実力発揮度の低群は高群と比して,離隔型および逃避型において高い評定が見られた.3)試合前のストレス反応において,実力発揮度の低群は高群と比して,全7下位因子において高く評定していた.
 本研究結果から,重要な試合場面における実力発揮の低下には,ストレッサー(試合結果の不確実さ,不満足な練習消化状況,周囲の期待)の否定的な認知的評価,直面した問題からの回避的な対処行動,およびストレス反応の増大が関連すると結論された.

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