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抄録(藪下典子,日本体力医学会,2005)


シンポジウム 地域ヘルスプロモーション:理論から実践へ

住民的アプローチ:地域住民主導型(会津本郷町プロジェクト)


 平成12年に「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が定められ,さらに平成14年には「健康増進法」による基盤整備がなされたことから,健康増進・健康つくりに努めることが国民の責務となり,各自治体には,その地域特性を活かした住民への健康つくり支援が義務づけられた.高齢者を対象とした場合,これらの支援に加えて,“介護予防”を柱の一つに位置づけるべきであろう.平成18年から実行される介護保険制度は,「予防重視型システム」への転換を強調しており,要支援や要介護度1の高齢者を対象とした新予防給付,要支援や要介護になるおそれのある高齢者に向けた地域支援事業などが計画されている.このような情勢の中,健康長寿を達成するためには,高齢者本人の自発的な行動が大切であることから,市町村は,個人の健康つくり活動を支援しなければならない.そのための一つの方策として,市町村と住民との円滑な連携を強化する必要があろう.
 福島県大沼郡会津本郷町では,健康福祉課が中心となり平成12年度から「5年後も今のままでいよう」を合い言葉に“高齢者健康つくり推進事業”を展開し,平成17年度で6年目を迎えた.事業内容は,運動教室,栄養指導,体力測定など基本的なものとなっているが,最大の特長は,住民が主体となり健康福祉課と連携することで事業が進められている点であろう.例えば,運動指導は,会津本郷町に居住している高齢者が中心となり担当している.また,月に一度,地域指導員と健康福祉課でミーティングがおこなわれ,運動教室の反省や今後開催すべき付加活動について議論がなされる.そして,広報誌の中で教室参加者を“今月の主役”として取り上げ,参加者の声を町全体へ伝える活動も続けている.このような地道な活動より,住民が主体となって行動すべき役割と,健康福祉課が主体となって行動すべき役割をしっかりと実行している様子がうかがえ,これらの連携は5年という歳月が築き上げたものといえる.
 会津本郷町では,事業開始から現在まで,さまざまな問題について話し合い,問題を乗り越えることで住民主体の事業へと徐々に移っていった.これには,町役場の全面的な支援があって,住民が安心して活動できたともいえる.住民が主体となることに加え,住民と自治体が連携し,協力し合うことで,住民が健康つくりに取り組め,活気に満ちた町を形成できるであろう.


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