カテキン / タンニン

 カテキンは緑茶の成分として有名で、ポリフェノールの一種。緑茶の他にりんご、なし、蓮根など種々の果実・野菜に含まれている。茶やワインの渋味はカテキンによる。茶やワインによって心疾患のリスクが軽減するとされる理由の一つは、カテキンの抗酸化作用、コレステロール低下作用、血圧上昇抑制作用などである。さらに、天然のがん予防物質としても期待が集まっている。

 タンニンは、渋味やえぐ味の原因となる比較的分子の大きいポリフェノールの総称で、カテキンが縮合した物質など様々な種類がある。種々の豆類・野菜類に含まれる。カテキン同様、お茶、ワインの渋味成分である。また、コーヒーの渋味はクロロゲン酸というタンニンの一種による。タンニンは鉄の吸収を阻害することが知られており、鉄欠乏性貧血の治療で鉄剤を服用している場合は、お茶類の摂取を控えることが大切である。


カフェイン

 カフェインは、茶やコーヒーに含まれる苦味の主な成分で、テインと呼ぶこともある。カフェインは焙煎による変化をほとんど受けないので、茶やコーヒーの加工法の違いにより苦みが変化することはほとんど無い。カフェインの多い食品として、一般的にコーヒーがあげられることが多いが、実際には緑茶に最も多く 3 % 程度含まれる。次いで紅茶に 2 〜 3 %、コーヒーには 1 % 程度含まれる。

 カフェインに対する感受性には個人差があるが、カフェインにはやや強い生理作用があり、脳や筋肉を刺激して興奮状態を起こさせるので、眠気防止や疲労感の除去、あるいは医学領域において強心剤などとして用いられる。また、利尿作用もある。有毒性はないが、慢性に多量に摂取すると中毒 (カフェインなしではいられない状態) になることがあるので、注意が必要。


カプサイシン

アスコルビン酸」とも言います。

 カプサイシンは唐辛子の辛味成分の一種であり、またその関連の辛味成分の総称でもある。カプサイシン類は種類が多い。これらは胡椒の辛味成分のピペリンやシャビシン、山椒の辛味成分のサンショオールと同じ仲間。

 肥満や生活習慣病予防にカプサイシン類が効果的であると言われるのは、カプサイシン類とくにカプサイシンに、エネルギー代謝 (体内でエネルギーを産生し消費する一連の働き) を亢進する働きがあるからで、唐辛子を使った料理は肥満の予防や改善に有効とされる。また、カプサイシンと同様に、唐辛子に含まれるカプサイシン類のカプサイシノールは辛味はないが抗酸化性があり、老化の原因の一つとされる体内での活性酸素の発生抑制に効果的である。これらのことから、近年、生活習慣病予防に有効な食品の一つとして唐辛子が注目されている。