TARA田中プロジェクト（2004-2006）

　筑波大学先端学際領域研究（Tsukuba Advanced Research Alliance: TARA）センターでは，毎年，学内の教員を対象に研究プロジェクトを募集している。このTARAプロジェクトは，学際領域における創造的な最先端研究を産・官・学の連携によって推進し，あわせて一般学術研究をも活性化することを目的としている。
　 田中喜代次を研究代表者とする研究プロジェクト「オーダーメイド減量プログラムの開発」は平成16年度TARAプロジェクトとして採用され，今後3年間で，個々人のヘルスプロモーションにとって有効なオーダーメイド減量プログラムが提供できるシステムの完成を目指すこととなった。
　今後の研究成果の発表にあたり，それぞれが一連のプロジェクトとしてリンクしていることを国内外にアピールするために，“The SMART Study”という名称を用いることとした。このSMARTはA study on Strategy for the MAde-to-order weight Reduction in Tsukubaの略称であり，オーダーメイド減量プログラムの処方システムを筑波大学から世界に向けて発信するという意味と，スマートな（smart「高性能な，洗練された」）減量プログラムという二重の意味を込めている。

【平成16年度の目標】

肥満者における肥満関連遺伝子変異の有無および遺伝子型の相違，性別，年齢，閉経の前後，体脂肪分布，体力レベルの個体差が，減量プログラムによる体重減少量に与える影響を明らかにする。なお，減量プログラムの期間は3ヵ月間であり，ここでの体重減少量は5〜12 kgと予想される。

【平成17年度の目標】

前年度に得られた知見に基づき，同量（約8 kg）の体重減少量が得られるような個体特性（肥満関連遺伝子変異の有無および体脂肪分布や体力レベルなどの違い）に応じた個別プログラム（具体的な摂取エネルギー量と消費エネルギー量を提示する）を作成し，その個別プログラムに則った減量教室を展開する。そこで得られた体重減少量とエネルギー出納から求められた理論値との差によって，個別プログラムの妥当性を検討する。

【平成18年度の目標】

前年度に浮かび上がった問題点について，他のパラメータや他の肥満関連遺伝子情報を加味して，個別プログラムの精度を高める。また，摂取エネルギー量と消費エネルギー量の出納バランスを変えたり，運動の種目や強度にバリエーションをもたせたりすることで，個人の好みまでも考慮できるよう，より包括的で自由度の高い減量プログラムが提供できるシステムづくりを目指す。

【研究組織】

研究代表者
田中 喜代次　人間総合科学研究科（スポーツ医学専攻）　教授　健康スポーツ医学

リサーチ・リーブ支援教員
中田 由夫　人間総合科学研究科（スポーツ医学専攻）　助手　健康スポーツ医学

TARAセンター研究員
大藏 倫博　人間総合科学研究科（体育科学専攻）　講師　中高齢期健康体力論

曽根 博仁　人間総合科学研究科（スポーツ医学専攻）　講師　健康スポーツ医学

徳山 薫平　人間総合科学研究科（スポーツ医学専攻）　助教授　スポーツ医科学基礎論

戸村 成男　人間総合科学研究科（ヒューマン・ケア科学専攻）　教授　福祉医療学

西嶋 尚彦　人間総合科学研究科（体育科学専攻）　助教授　健康体力学

堀米 仁志　人間総合科学研究科（スポーツ医学専攻）　講師　生涯スポーツ医学

目崎 登　　人間総合科学研究科（スポーツ医学専攻）　教授　生涯スポーツ医学

柳 久子　　人間総合科学研究科（ヒューマン・ケア科学専攻）　助教授　福祉医療学

TARAセンター客員研究員
坂根 直樹　国立京都病院臨床研究センター　予防医学研究室　室長　内科学

鈴木 正成　早稲田大学　スポーツ科学部　教授　健康科学，栄養学

堀田 紀久子　理化学研究所遺伝子多型研究センター　肥満関連遺伝子研究チーム　チームリーダー

山吹 啓介　東取手病院　循環器科　医師　心臓外科

吉田 次男　筑波技術短期大学　理学療法学科　助教授　放射線医学

吉田 俊秀　京都市立病院　糖尿病・代謝内科部長　内科学

Bouchard, Claude USA Pennington Biomedical Research Center Executive Director　 遺伝学

Rankinen, Tuomo USA　Pennington Biomedical Research Center Assistant Professor　遺伝学

李 東俊　慶煕大学校　スポーツ科学研究所　研究員　健康スポーツ医学